工務店・不動産DX:集客&効率化3ステップ
不動産・建設業界のDX推進:集客と業務効率化を実現する3つのステップ
中小規模の工務店経営者様、不動産事業者様、そして建設業界のDXに関心をお持ちのエンジニアの皆様、日々の業務お疲れ様です。
「新規顧客の獲得に苦戦している」「現場と事務所の情報共有がうまくいかない」「紙ベースの管理から脱却したいが、何から手をつければ良いか分からない」といった課題を抱えていませんでしょうか。
本記事では、これらの課題を解決し、不動産・建設業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を即実践可能にするための具体的な3つのステップを、ツール名、サービス名、公式URL、料金体系、そして登録方法まで詳細に解説します。
元記事で女優の栗山千明さんが、キャリア営業マンさながらのスーツ姿で不動産店に立っていたという描写がありましたが、現代の不動産・建設業界においても、デジタルを活用した「スマートな営業」と「効率的な業務」は、競争優位性を確立する上で不可欠です。
本記事を最後までお読みいただくことで、明日からすぐにでも始められる集客・業務改善の具体的なアクションプランが明確になり、貴社のビジネス成長に貢献できるはずです。
1. 顧客管理と見込み顧客育成の自動化による集客力強化
まず、集客の基盤となる顧客管理(CRM)と、見込み顧客の育成(MA:マーケティングオートメーション)を自動化することで、営業効率と成約率を飛躍的に向上させることができます。
多くの不動産・建設会社では、顧客情報がExcelで管理されていたり、担当者個人の記憶に頼っていたりするケースが少なくありません。これでは、顧客のニーズを正確に把握できず、適切なタイミングでのアプローチも困難になります。
そこで、クラウド型のCRM/MAツールを導入し、顧客情報を一元管理し、自動でフォローアップを行う体制を構築しましょう。
ステップ1-1:クラウド型CRM/MAツールの選定と導入
ここでは、中小企業でも導入しやすく、かつ高機能なCRM/MAツールを2つご紹介します。
【おすすめツール1:HubSpot CRM】
- 概要:顧客関係管理(CRM)、マーケティング、セールス、カスタマーサービスの各機能を無料で利用できる、オールインワンのプラットフォームです。特に中小企業にとって、初期費用を抑えながらDXを推進できる点が魅力です。
- 主な機能:
- 顧客情報の一元管理(氏名、連絡先、商談履歴、問い合わせ内容など)
- メール配信の自動化(ステップメール、セグメント配信)
- Webフォーム作成による見込み顧客獲得
- タスク管理・リマインダー機能
- 料金:無料プランあり。有料プラン(Starter:月額2,000円〜、Professional:月額50,000円〜など)では、さらに高度な機能が利用可能です。
- 公式サイト:https://www.hubspot.jp/products/crm
【おすすめツール2:Salesforce Sales Cloud Essentials】
- 概要:世界No.1のCRMプラットフォームであるSalesforceの、中小企業向けのエントリープランです。顧客管理はもちろん、営業活動の可視化や分析機能も充実しています。
- 主な機能:
- 顧客・案件管理の強化
- 営業活動の記録・追跡
- レポート・ダッシュボードによる分析
- モバイル対応
- 料金:月額3,000円/ユーザー(年間契約)。無料トライアルも提供されています。
- 公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
ステップ1-2:ツールの登録と初期設定
ここでは、HubSpot CRMの無料プランを例に、登録と初期設定の手順を解説します。
- 公式サイトへアクセス:HubSpot CRM公式サイトにアクセスします。
- 「無料ではじめる」ボタンをクリック:トップページにある「無料ではじめる」または「無料アカウントを作成」といったボタンをクリックします。
- アカウント情報の入力:メールアドレス、会社名、氏名などの必要事項を入力し、アカウントを作成します。
- 初期設定ウィザードに従う:登録後、簡単な初期設定ウィザードが表示されます。会社の規模や業種、どのような目的で利用するかなどを選択していきます。
- Webフォームの作成:メニューから「営業」→「フォーム」を選択し、自社のWebサイトに埋め込むための問い合わせフォームを作成します。これにより、Webサイトからの見込み顧客の情報を自動でCRMに登録できるようになります。
【登録後のアクション】
- まずは、既存の顧客リスト(Excelなど)をインポートしてみましょう。
- WebサイトにHubSpotのWebフォームを設置し、新規問い合わせからの情報が自動で登録されるか確認します。
- メールテンプレートを作成し、問い合わせがあった顧客への自動返信メールを設定します。
【具体的な集客効果】
例えば、ある工務店では、HubSpot CRMを導入し、Webサイトからの問い合わせフォームを設置したところ、Web経由の問い合わせ数が前月比で30%増加しました。また、過去の顧客リストをインポートし、興味がありそうな物件情報やリフォーム事例をセグメント配信した結果、休眠顧客からの反響が15%増加したという事例もあります。
2. 現場と事務所間の情報共有・進捗管理のDX化による業務効率向上
次に、建設現場と事務所間の情報共有をスムーズにし、プロジェクトの進捗管理を効率化するためのDX化について解説します。
現場で発生した図面変更、進捗状況、写真などの情報を、電話やFAX、メールでやり取りしていると、情報伝達の遅延や誤解が生じやすく、非効率です。
これを解決するために、現場管理アプリやクラウド型のプロジェクト管理ツールの導入が効果的です。
ステップ2-1:現場管理アプリ・プロジェクト管理ツールの選定と導入
ここでは、建設業界に特化した現場管理アプリと、汎用性の高いプロジェクト管理ツールをご紹介します。
【おすすめツール1:クラフトバンク】
- 概要:建設業に特化した、求人・求職のマッチングプラットフォームですが、現場管理機能も充実しています。現場写真の共有、図面管理、進捗報告などがスマートフォンで完結します。
- 主な機能:
- 現場写真・動画の共有(クラウドストレージ)
- 図面・書類の共有
- 日報・週報作成・共有
- チャット機能によるコミュニケーション
- 進捗管理(ガントチャートなど)
- 料金:月額5,000円/ユーザー(初期費用なし)。無料トライアルも提供されています。
- 公式サイト:https://www.craftbank.net/
【おすすめツール2:Asana】
- 概要:タスク管理、プロジェクト管理に特化したクラウドサービスです。チーム内のタスク分担、進捗状況の可視化、期日管理などを効率的に行えます。建設業界に限らず、様々な業種で活用されており、柔軟なカスタマイズが可能です。
- 主な機能:
- プロジェクト・タスク管理
- 担当者・期日設定
- 進捗状況のコメント・ファイル共有
- タイムライン表示(ガントチャート)
- レポート機能
- 料金:無料プランあり。有料プラン(Premium:月額1,090円/ユーザー、Business:月額2,490円/ユーザーなど)では、さらに高度な機能が利用可能です。
- 公式サイト:https://asana.com/ja
ステップ2-2:ツールの登録と初期設定
ここでは、Asanaの無料プランを例に、登録と初期設定の手順を解説します。
- 公式サイトへアクセス:Asana公式サイトにアクセスします。
- 「無料ではじめる」ボタンをクリック:トップページにある「無料ではじめる」ボタンをクリックします。
- アカウント情報の入力:メールアドレス、氏名、パスワードなどの必要事項を入力し、アカウントを作成します。
- チーム名の入力:所属するチーム名(会社名など)を入力します。
- プロジェクトの作成:ログイン後、「+」ボタンから「プロジェクト」を選択し、例えば「〇〇邸新築工事」といったプロジェクトを作成します。
- タスクの追加と担当者の割り当て:プロジェクト内に、基礎工事、上棟、内装工事といったタスクを追加し、担当者と期日を割り当てます。
- 現場担当者への招待:チームメンバーを招待し、現場担当者にもアクセス権限を付与します。
【登録後のアクション】
- まずは、現在進行中のプロジェクトをAsanaで再現してみましょう。
- 現場担当者に、進捗状況の更新(タスク完了、コメント追加、写真添付など)を依頼します。
- 事務所の担当者も、現場の状況をリアルタイムで確認できるようにします。
【具体的な業務改善効果】
ある工務店では、Asanaを導入し、現場写真の共有と日報作成をアプリ上で行うようにした結果、事務所への報告漏れや遅延がほぼゼロになりました。また、進捗状況が可視化されたことで、担当者間の連携がスムーズになり、工期の遅延リスクが10%削減されたとのことです。
3. 業務プロセス可視化と自動化による生産性向上
最後に、不動産・建設業界における煩雑な事務作業や、非効率な業務プロセスを可視化し、自動化することで、最終的な生産性向上を目指します。
見積もり作成、請求書発行、契約書作成、経費精算など、多くの会社でこれらの業務に時間がかかっているのではないでしょうか。これらの業務をデジタル化し、自動化することで、本来注力すべきコア業務に時間を割けるようになります。
ステップ3-1:業務自動化ツールの選定と導入
ここでは、見積もり・請求書作成、契約書作成、そして社内ワークフローの自動化に役立つツールをご紹介します。
【おすすめツール1:Square 請求書】
- 概要:無料で簡単に請求書を作成・送信できるサービスです。作成した請求書は、メールで顧客に送付でき、オンライン決済にも対応しています。
- 主な機能:
- 請求書・見積書の作成・送付
- オンライン決済(クレジットカード、銀行振込)
- 請求履歴の管理
- 料金:無料。オンライン決済手数料(3.25%)のみかかります。
- 公式サイト:https://squareup.com/jp/ja/invoicing
【おすすめツール2:クラウドサイン】
- 概要:電子契約サービスとして、不動産取引や建設契約など、様々な契約業務をオンラインで完結させることができます。印紙税や郵送費の削減、契約締結までのスピードアップに貢献します。
- 主な機能:
- 電子契約書の作成・締結
- 署名・捺印のオンライン実施
- 契約書の保管・管理
- 進捗状況の確認
- 料金:無料プランあり(月10件まで)。有料プラン(ライトプラン:月額4,980円/ユーザー、ビジネスプラン:月額9,800円/ユーザーなど)では、より多くの機能が利用可能です。
- 公式サイト:https://www.cloudsign.jp/
【おすすめツール3:Make(旧Integromat)】
- 概要:複数のSaaSツールを連携させ、業務プロセスを自動化できる「iPaaS(Integration Platform as a Service)」です。例えば、フォームからの問い合わせがあったら、CRMに登録し、担当者にSlackで通知するといった一連の流れを自動化できます。
- 主な機能:
- 様々なSaaSツールとの連携
- トリガーとアクションに基づいた自動化シナリオ作成
- データ変換・処理
- 料金:無料プランあり(月1,000件のオペレーション)。有料プラン(Core:月額9ドル〜、Pro:月額29ドル〜など)では、より多くのオペレーション数や機能が利用可能です。
- 公式サイト:https://www.make.com/en
ステップ3-2:ツールの登録と初期設定、自動化シナリオの構築
ここでは、Square 請求書の無料プランで請求書を作成・送付する手順と、Makeを使った簡単な自動化シナリオの構築方法を解説します。
【Square 請求書の利用方法】
- 公式サイトへアクセス:Square 請求書公式サイトにアクセスします。
- 「無料で始める」ボタンをクリック:アカウント作成画面に進みます。
- アカウント情報の入力:メールアドレス、パスワード、氏名、連絡先などを入力し、アカウントを作成します。
- 請求書作成画面へ:ログイン後、「請求書」メニューから「請求書を作成」を選択します。
- 顧客情報、商品・サービス内容、金額を入力:請求先情報、請求する商品やサービスの詳細、金額、支払い期日などを入力します。
- 請求書を送信:入力内容を確認し、「請求書を送信」ボタンをクリックします。顧客のメールアドレスに請求書が送信されます。
【Makeを使った簡単な自動化シナリオ構築例】
シナリオ:Webサイトの問い合わせフォーム(例:Google Forms)から新規問い合わせがあったら、HubSpot CRMに連絡先を登録し、担当者にSlackで通知する。
- Make公式サイトへアクセス:Make公式サイトにアクセスし、アカウントを作成(無料プランあり)。
- 新しいシナリオを作成:ダッシュボードから「Create a new scenario」を選択します。
- トリガーの設定:左側の「+」アイコンをクリックし、「Google Forms」を選択。トリガーとして「Watch Responses」を選び、Google Formsアカウントと連携させ、監視するフォームを指定します。
- アクションの設定1(CRM登録):Google Formsのレスポンスが取得されたら、次に「+」アイコンをクリックし、「HubSpot」を選択。アクションとして「Create a Contact」を選び、HubSpotアカウントと連携させ、Google Formsから取得した情報をHubSpotの各フィールド(氏名、メールアドレスなど)にマッピングします。
- アクションの設定2(Slack通知):HubSpotへの登録が完了したら、さらに「+」アイコンをクリックし、「Slack」を選択。アクションとして「Send a message」を選び、Slackアカウントと連携させ、担当チャンネルに「新規問い合わせがありました(氏名:〇〇、メール:△△)」といったメッセージを送信するように設定します。
- シナリオの保存と有効化:作成したシナリオに名前を付け、保存し、有効化(「ON」に切り替え)します。
【登録後のアクション】
- まずは、Square 請求書で自社のサービスの見積書・請求書を作成・送信してみましょう。
- クラウドサインで、簡単な業務委託契約書などのテンプレートを作成し、実際に締結するプロセスを試してみましょう。
- Makeを使って、普段行っている手作業の連携業務(例:Google Sheetsに記録したデータを別のツールに転記するなど)を自動化できないか検討し、実際にシナリオを作成してみてください。
【具体的な生産性向上効果】
ある不動産会社では、クラウドサインを導入し、重要事項説明書や売買契約書などの電子化を進めた結果、契約締結までの期間が平均で3日から1日に短縮されました。また、印紙税や郵送費も年間で約50万円削減できたとのことです。さらに、Makeを活用して、顧客からの問い合わせ内容を自動でCRMに登録し、担当者にSlack通知する仕組みを構築したことで、営業担当者が顧客対応に集中できるようになり、結果として成約率が10%向上したという報告もあります。
まとめ:DX推進による持続的な成長を目指しましょう
本記事では、不動産・建設業界の集客力強化と業務効率化を実現するための具体的な3つのステップを、実践的なツールと共にご紹介しました。
【本記事の要点】
- ステップ1:顧客管理と見込み顧客育成の自動化
- HubSpot CRMやSalesforce Sales Cloud Essentialsを活用し、顧客情報を一元管理し、メールマーケティングを自動化する。
- Webサイトにフォームを設置し、見込み顧客獲得の導線を強化する。
- ステップ2:現場と事務所間の情報共有・進捗管理のDX化
- クラフトバンクやAsanaなどの現場管理アプリ・プロジェクト管理ツールで、写真共有、日報作成、進捗管理を効率化する。
- リアルタイムな情報共有により、コミュニケーションロスを削減する。
- ステップ3:業務プロセス可視化と自動化による生産性向上
- Square 請求書やクラウドサインで、見積もり・請求書発行、契約業務を効率化・ペーパーレス化する。
- Make(旧Integromat)のようなiPaaSツールで、異なるSaaS間の連携を自動化し、手作業を削減する。
これらのツールを段階的に導入し、貴社の業務フローに合わせて活用することで、集客力の向上、業務効率の改善、そして最終的には収益性の向上に繋がります。
まずは、無料プランや無料トライアルがあるツールから試していただくことをおすすめします。最初の一歩を踏み出すことが、DX推進の鍵となります。
【今すぐできるアクション】
- HubSpot CRMの無料アカウントを作成し、既存の顧客リストをインポートする。
- Asanaで、現在進行中のプロジェクトをタスク化し、チームメンバーを招待する。
- Square 請求書で、架空の顧客宛に請求書を作成・送信してみる。
貴社のビジネスが、デジタル技術の力でさらに発展していくことを心より願っております。